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オフィスITのお役立ちコラム

2025.03.01

ITヘルプデスクのアウトソーシング完全ガイド|メリット・デメリットから選び方まで徹底解説

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近年、企業のIT環境が複雑化する中で、ヘルプデスク業務の重要性が増しています。しかし、専門知識を持つ人材の確保や24時間体制の維持など、自社での運営には多くの課題があります。 そこで注目されているのが、ITヘルプデスクのアウトソーシングです。

ITヘルプデスクのアウトソーシングとは

ITヘルプデスクのアウトソーシングとは、社内外からのIT関連の問い合わせ対応や技術サポートを、専門の事業者に委託することを指します。システムトラブルの解決から日常的な操作サポートまで、幅広い業務を外部の専門家チームに任せることで、効率的な運営と高品質なサービスの提供を実現します。

■ITヘルプデスクの主な業務内容

ITヘルプデスクは、企業のIT環境を支える重要な役割を担っています。主な業務は、システムトラブル発生時の一次対応から始まり、ユーザーアカウントの管理やパスワードリセットなどの日常的な管理業務まで多岐にわたります。

また、社員向けのマニュアル作成やFAQの管理、発生したインシデントの記録と報告も重要な責務です。さらに、ハードウェアやソフトウェアの操作方法に関する問い合わせにも対応し、業務の円滑な遂行をサポートしています。

■アウトソーシング可能な業務範囲

ITヘルプデスクでアウトソーシング可能な業務は、電話やメール、チャットによる問い合わせ対応を中心に幅広く存在します。リモートデスクトップを使用した遠隔サポートや、PCのキッティング作業といった物理的な作業も含まれます。

ほかには、ネットワークやサーバーの監視業務、セキュリティインシデントへの対応なども、専門業者に委託することが可能です。近年はAIやチャットボットを活用した自動応答システムの運用までカバーする事例も増えています。

■アウトソーシングの形態と特徴

アウトソーシングの形態は、大きく分けて3つのタイプが存在します。オンサイト型・オフサイト型とこれらを組み合わせたハイブリット型です。

    • オンサイト型……委託先スタッフが自社に常駐して対応する形態です。
    • オフサイト型……委託先の施設から遠隔で対応する形態です。
    • ハイブリッド型……状況に応じてオンサイト・オフサイトを切り替えることで、柔軟な対応を可能とする形態です。

ほかには、業務全体を一括して委託するBPO型も選択肢として存在します。企業の規模や要件に応じて最適な形態を選択することが重要です。

ITヘルプデスクをアウトソーシングするメリット

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ITヘルプデスクのアウトソーシングには、数多くのメリットが存在します。コスト面での効率化はもちろん、専門性の向上や業務効率の改善など、企業経営に大きなプラスをもたらす要素が含まれています。

■コスト削減が実現できる

ITヘルプデスクのアウトソーシングは、複数の側面でコスト削減効果をもたらします。社内で専門スタッフを採用・育成する必要がなくなり、人材関連コストを大幅に抑制できるでしょう。これに加え、ヘルプデスク運営に必要なシステムやツールなどのインフラ構築費用も削減可能です。

さらに、需要の変動に応じて柔軟にリソースを調整できるため、運用コストを最適化できます。複数企業の業務を集約して行うアウトソーシング事業者のスケールメリットも、コスト削減に寄与する重要な要因となっています。

■専門性の高い対応が可能になる

アウトソーシング事業者は、豊富な経験と専門知識を持つエンジニアを多数抱えています。これにより、複雑なトラブルシューティングや高度な技術的課題にも適切に対応することが可能です。

また、日々進化するIT技術やセキュリティ脅威に関する最新の知見も有しており、常に最適なソリューションが提供されます。複数のベンダー製品に精通したエンジニアが対応することで、マルチベンダー環境における問題解決もスムーズです。

■業務効率が大幅に向上する

アウトソーシング事業者は、長年の経験に基づいて確立された標準的な業務プロセスを持っています。これにより、効率的かつ確実な問題解決が可能となります。過去の対応事例を集積したナレッジベースを活用することで、同様の問題に対する解決時間も短縮できるでしょう。

最近では、AIやチャットボットを導入することで、定型的な問い合わせの自動化も進んでいます。さらに、問題の重要度や緊急度に応じた効率的なエスカレーションフローにより、適切な優先順位付けが実現できます。

■コア業務への集中が可能に

ヘルプデスク業務をアウトソーシングすることで、IT部門は戦略的な業務に注力できるようになります。近年重要性を増しているDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に、より多くのリソースを投入するのも不可能ではありません また、新規プロジェクトの立ち上げや推進にも十分な人員を配置できるようになり、イノベーション創出のための時間も確保できます。これらの効果により、IT部門が企業の成長エンジンとしての役割を担えるようになります。

ITヘルプデスクをアウトソーシングするデメリット

アウトソーシングには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。これらのデメリットは、適切な対策を講じることで最小限に抑えることが可能ですが、アウトソーシングを検討する際には十分な理解が必要です。

■社内にナレッジが蓄積されにくい

ヘルプデスク業務を外部委託することで、日々発生する問題解決のノウハウが社外に流出してしまう懸念があります。とくに、自社のシステムや業務プロセスに特有の運用知識が、社内に蓄積されにくくなる点は大きな課題となっています。

また、社内人材がトラブル対応に直接関わる機会が減少することで、技術的なスキル向上の機会も失われがちです。加えて、業務プロセス全体への理解が薄れ、システム改善や業務効率化の提案力が低下する可能性もあります。

■セキュリティリスクへの懸念

アウトソーシングにおいて最も重要な課題のひとつが、情報セキュリティの確保です。外部のスタッフが社内システムにアクセスすることで、機密情報漏洩のリスクが生じるのは否めません。

また、クラウドサービスやリモートアクセスツールの利用に伴うセキュリティ上の脆弱性も懸念されます。個人情報や顧客データの取り扱いにおいても、委託先での情報管理体制も含めて、慎重に見極める必要があります。

■サービス品質低下の可能性

アウトソーシング先の担当者が、自社の業務内容や特殊性を十分に理解していない場合、サービス品質の低下を招く可能性があります。特に、社内特有の業務フローや慣習について、十分な理解が得られないことでコミュニケーションの齟齬が発生しやすくなります。また、効率化を重視するあまり対応が画一化され、個別の状況に応じた柔軟な対応が困難になることもあります。さらに、複雑な問題が発生した際のエスカレーション対応に時間がかかり、問題解決が遅延するケースも想定されます。

■初期導入時の負担増

アウトソーシングの導入初期には、相当の準備工数が必要です。まず、現行の業務内容を詳細に洗い出し、委託先への引き継ぎを行わなければなりません。業務マニュアルの整備や、各種手順書の作成も不可欠です。

システム面では、委託先スタッフへの適切なアクセス権限の設定や、セキュリティ対策の実装が求められます。さらに、社内の関係者に対して、新しい体制や運用方法について十分な説明を行い、理解を得る必要もあります。

ITヘルプデスクをアウトソーシングする会社の選び方

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ITヘルプデスクのアウトソーシングを成功に導くには、適切な委託先の選定が不可欠です。選定にあたっては、専門性や実績、セキュリティ体制、コミュニケーション能力、料金体系など、多角的な視点での評価が必要となります。

■専門性と実績の確認

アウトソーシング会社の選定において、もっとも重視すべき点が専門性と実績です。とくに、自社と同じ業種での導入実績があるかどうかは、業務の特性や課題を理解する上で重要な指標となります。情報処理技術者試験やベンダー認定資格の保有状況や、過去のトラブル対応事例を確認することでも、対応力を計るうえで大切です。

■セキュリティ体制の評価

セキュリティ体制の評価は、情報漏洩リスクを最小限に抑えるために極めて重要です。ISO27001やプライバシーマークなどのセキュリティ認証の取得状況を確認するとともに、情報管理に関する社内規程や教育体制の整備状況もチェックしましょう。システム面では、アクセス制御の方法や監視体制、インシデント発生時の対応プロセスも要確認項目です。

■コミュニケーション体制の確認

効果的なヘルプデスク運営には、円滑なコミュニケーション体制の構築が不可欠です。日常的な報告体制がしっかりと確立されているか、緊急時の連絡フローは明確かなどを確認しましょう。定例会議の頻度や内容、参加メンバーの構成、問題発生時のエスカレーションルートが明確に定められているかなども重要なチェックポイントです。

■料金体系の比較

コスト面での評価は、長期的な運用を見据えて慎重に行う必要があります。基本料金に含まれる固定費と、利用量に応じて変動する費用の内訳を明確に把握しなければなりません。急な対応が必要な場合のスポット料金や、サービス時間外の追加料金などの発生条件も確認が必要です。中途解約時の違約金や、機器の撤去費用などの条件も重要事項だと言えます。

アウトソーシング成功のためのポイントと注意点

ITヘルプデスクのアウトソーシングを成功に導くためには、委託先の選定だけでなく、運用開始後の継続的な管理と改善が重要です。とくに、業務範囲の明確な定義、効果的なコミュニケーション体制の構築、品質管理の仕組み作り、そして定期的な評価とフィードバックは、サービスの質を維持・向上させる上で欠かせない要素となります。

■業務範囲の明確化

アウトソーシング成功の第一歩は、委託する業務範囲を明確に定義することです。対応業務の内容を詳細に文書化し、委託先と自社の役割分担を明確にすることが重要です。

とくに、システムトラブルや情報セキュリティインシデントが発生した際の責任分界点を明確に設定しなければなりません。また、作業分担については、定型業務から緊急対応まで、あらゆる状況を想定して整理します。さらに、より高度な対応が必要な場合のエスカレーション基準も、具体的に定める必要があります。

■効果的なコミュニケーション方法

円滑な業務運営には、委託先との効果的なコミュニケーション体制の構築が不可欠です。定期報告会を通じて、サービス状況や課題の共有、改善施策の検討を行います。日次や週次の報告については、形式を標準化し、必要な情報が漏れなく共有されるようにします。

また、発生した課題を管理・追跡できるしくみを整備することも大切です。関係するステークホルダーとの情報共有も重要で、必要に応じて報告会への参加を求めることも検討します。

■品質管理のしくみ作り

サービス品質を維持・向上させるためには、適切な品質管理の仕組みが必要です。応答時間や解決率などの定量的なKPIを設定し、定期的なモニタリングを行います。

対応品質を評価するための具体的な基準を設け、定期的なチェックを実施することも重要だと言えるでしょう。ユーザーからのフィードバックを収集するしくみや、アンケートや満足度調査を通じて改善ポイントを把握することも大切です。

■定期的な評価とフィードバック

アウトソーシングの効果を最大化するには、定期的な評価とフィードバックのサイクルが重要です。

委託先のパフォーマンスについても、定量的・定性的な評価を行い、必要に応じて改善を要求します。これらの評価結果を基に、具体的な改善提案を行い、サービスの継続的な向上を図ります。

まとめ

ITヘルプデスクのアウトソーシングは、コスト削減や専門性の向上、業務効率化など多くのメリットをもたらす一方で、ナレッジの蓄積不足やセキュリティリスクなどのデメリットも存在します。成功の鍵は、自社のニーズに合った委託先の選定と、明確な業務範囲の設定、効果的なコミュニケーション体制の構築です。

アウトソーシングを戦略的に活用することで、IT部門はより付加価値の高い業務に集中し、企業全体の競争力向上に貢献することが可能となるでしょう。

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